今回は、「たしざんのミス」の続きです。
前回は、くりあがりのたしざんを毎回計算するたびに考えていると、ミスが出やすいということでした。そこで、考えずに答えられるようにするにはどうするのか、具体策をお話ししましょう。
下は小学校低学年で学ぶたしざん表です。なつかしいですね。
みなさんは、くりあがりのないたしざんは大丈夫だと思います。そこで、くりあがりのあるものだけにしたのがたしざん①の表です。さらに…
くりあがりといっても、たして10は大丈夫でしょう。これを省いたのがたしざん②です。さらに、さらに、2+9と9+2は同じなので片方を省きます。こうしてできたものが、たしざん③です。ずいぶん減りました。
つぎに、6+6 は 6×2 なのでかけざん九九でわかっていますね。そこで、7+7、8+8、9+9も省略してたしざん④になりました。
さいごに、9+2=11は2が1つ減って1になる。「9にたすと1つ減る」とおぼえておくと、これも省略してたしざん⑤の表ができあがりました。
つまり、くりあがりのたしざんは、⑤の表の9種類を覚えればよいのです。
これなら楽でしょ!
(注意、 9+ のパターンでミスがでる人は、④の表を覚えてくださいね)
さて、つぎは覚え方です。かけざん九九と混同しないような工夫が必要です。たとえば、 6+5=11 は、「ろくとご、じゅういち」というように、たしざん記号を「と」という言葉で言ってみてはどうでしょうか。でも、このへんは、みなさんの言いやすい言い方でかまいません。むしろ、みなさんが自分で工夫した言い方のほうが間違いないでしょう。
言い方が決まったら、⑤の表を順に言いながら書いておぼえましょう。かけざん九九と同じで、最初は順に言うことが大事ですよ。
次に、百マス計算などを利用して、ランダムな計算練習をしましょう。ランダムというのは、ちゃんとした順ではなく不規則にということです。
このとき大事なことは、急がないことです。ここでの目的は、スピードではなく、くりあがりを身に付けることなのです。百マス計算というと多くのみなさんが、猛スピードで計算しようとしますが、正確な計算が身に付かないうちにスピード練習してしまうと、ミスを身に付けてしまいかねません。くれぐれも、急がないでください。