みなさんは、「途中の式」を書きなさいと、うるさく言われた経験はありませんか?
計算ミスの原因のひとつに「途中の式」を書かないことが挙げられます。それはそうなのですが、そもそもなぜ「途中の式」を書かなければいけないのでしょうか。訳もなく書け書け言われても…ううーん、ですよね。
実は、「途中の式」を書くことは、ミスを減らすためなどという小さな理由!のためではありません。
本来、数学の目的は、数字と論理を活用して相手を説得することにあるのです。数学をはじめとするあらゆる科学論文はすべてなにかの証明です。そして数学的科学的証明とは、世界中の人々を説得して「たしかに君の言うとおりだ」と納得してもらうことなのです。
世界が納得!…こう考えてみると数学って、すごいですね。
さて、相手を説得するには、いきなり「答え」を押しつけてもだめです。たとえ答えが正しくても、説得力のないわがままな発言と言われてしまいます。そこで「途中の式」を書いて説得するのです。数学の本質は証明であり、それは具体的には「途中の式」なのです。
「途中の式」を書く理由はわかりましたが、そんな大きな理由とは別に、「途中の式」を書くとミスが減るというささやかなプレゼントが付いてきます。
テストというものがある以上、数学(計算)も時間内に解くスピードが必要です。「途中の式」を書くと当然スピードは落ちてしまいます。みなさんが計算を急ぐ気持ちはわかりますが、スピードに気を取られるとミスが多発してしまい、元も子も失くすことになります。みなさんは、まずは正確さを優先してください。そして次にスピードアップをめざしましょう。
話が長くなりました。続きはまたにいたしましょうか。