新潟県の金物屋さんで、こんなものを見つけました。
なんだかわかりますか。 ヒントは台所でつかう道具です。
答えは、缶切りでした。
なんともレトロなデザインの缶切りです。実際に家庭で使われていたのは、おそらく昭和40年代までではないでしょうか。いまでは、すっかり目にしなくなりました。
そんなわけで、実は私も使うのは初めてです。さっそく缶詰を切って開けてみましょう。使い方はパッケージに小さく描かれていました。
なるほど、なるほど。
まず、先端の針を缶の中心に突き刺します。ワイルドですね。次に、刃を缶のふちに当てて、グサッ! そのまま刃を時計回りに手前にずらすようにして切っていきます。
3分の1くらい切ったときのようすです。けっこう力が必要です。
みごと最後まで切ることができました。
しかし疲れました。現代のねじ式缶切りとくらべるとかなりの労力です。この缶切りが、昭和40年代に姿を消したのもうなずけます。中身のフルーツをいただいてひと休みしましょう。
これまたレトロな下の図は、昭和50年代の教科書のもので、てこのしくみの問題図です。支点、力点、作用点はそれぞれ何番になるのでしょうか。
答えはもちろん、支点が③、力点が①、作用点が②となります。
使い方を知っていれば、簡単ですね。
とはいっても、昭和40年代にほぼ姿を消したこの缶切りは、昭和50年代の小学生にとっては知るよしもありません。図のようすから缶切りらしいとは思っても、まさか缶の中心に針を突き刺して、そこを支点にするとは思いもよらなかったことでしょう。この問題は、昭和50年代には、すでに難問と化していたのです。