秋篠理数・算数教室の「さあさあ、お勉強だよ!」


冬の大三角

晩秋、雪の降る前に、天体観測に出かけました。

午前3時、冬の大三角が南中しています。

冬の大三角は、オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを結んだもので、細長い夏の大三角に比べると、より正三角形に近く、バランスのとれた形をしています。

見つけるには、まず右のオリオン座から探すとよいでしょう。光の多い都会でも、四角のなかに三ツ星を抱えたオリオン座は、たぶん簡単に見つかります。オリオン座を見つけたら、左下の最も明るい恒星シリウスもすぐに確認できるはず。最後に左上のプロキオンは、ベテルギウスとシリウスを一辺とする正三角形を作ってみると、見つかりますよ。

例によって、露出を大きくして撮ってみると…

ベテルギウスは赤く、シリウスは白く、プロキオンはやや黄色く見えていますね。これは恒星の表面温度の違いからくるものです。

表面温度の低い順に、ベテルギウスは約3000度で赤、プロキオンは約6000度で黄(太陽も約6000度で黄色です)、シリウスは約10000度で白となります。オリオン座の右下、リゲルはさらに高温の約12000度で青白く見える恒星です。

さて、右の図をもう一度みてください。天の川と書かれています。しかし左の写真を見ても、言われてみれば星が多いかなという程度で、あの夏に見た天の川の感動的な星の密度は感じられません。ほんとうにこれが天の川なのでしょうか。

夏の天の川はこんなに濃厚で鮮やかでした。

天の川は、ご存知のとおり銀河系もしくは天の川銀河とよばれる巨大な円盤状の星の集まりです。この円盤の半径は約5万光年(直径10万光年)、わたしたちの地球は、中心から約3万光年のところにあります。

これは銀河系の円盤を横方向から見た模式図です。

夏の地球から見た夜空には銀河系の中心があり、分厚い星の層をみることになります。これが夏の天の川です。ところが、冬の地球から見た夜空には銀河系外縁部のわずかな星の層があるだけです。冬の天の川が希薄で目立たないのは、こんな理由があったのですね。

 

 

 

 

 

 

 

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