海苔の袋に入っている乾燥剤を使って、石灰水を作ってみましょう。
海苔用の乾燥剤は、酸化カルシウムという物質で、一般には生石灰(せいせっかい)と呼ばれています。
台所に行って、乾燥剤の袋を切り、中の粉末がかぶるくらいに水を入れます。水を入れたら、ただちに流しに立てて置きます。10秒ほどすると激しい発熱がおこります。加えた水が沸騰するほどですので、やけどに注意してください。万一、立てて置いた袋が倒れても、反応はちゃんと進みますので放っておきましょう。あわててさわると、やけどしますよ。
5分ほど放置して、温度をさげます。顆粒状だった酸化カルシウムが、水と反応して細かい粉末状の水酸化カルシウムになりました。水酸化カルシウムは、一般には消石灰(しょうせっかい)と呼ばれています。
写真左が酸化カルシウム、右が水酸化カルシウムです。
次に、きれいに洗ったペットボトルのなかに、できた水酸化カルシウムを入れます。
水を加えてキャップをし、よく振り混ぜます。白く濁った石灰乳ができました。これは、このまま放置しておきましょう。
ここで、別に用意したペットボトルを使って、ろ過器をつくります。
写真を見ていていただければ分かると思いますが、ペットボトルの上部を切断して逆さにかぶせるだけの、簡単な工作です。ろ紙は、ペーパータオル(キッチンタオル)で十分です。
さきほど放置しておいた石灰乳をろ過します。ろ過したら透明な石灰水の完成です。
左はろ過する前の石灰乳、右はろ過した後の石灰水です。
最後に、本当に石灰水ができているのか、確かめてみましょう。
ストローで息を吹き込んで、ブクブクすると…
みごとに白く濁りました。大成功です。
この実験は、みなさんのお家で簡単にできますが、成功のポイントが2つあります。1つは、やけどしないために台所の流しの中で行うこと、もう1つは、買ってきたばかりの海苔の乾燥剤を使うことです。古いものは湿気を吸ってしまっているので、反応がうまくいきません。
中高校生のみなさんのために、化学反応式を示しておきます。参考にしてください。